ハチミツ蜜源検査

基本情報

ハチミツに含まれる花粉をDNA解析により特定し、蜜源植物の種類と組成を科学的に推定します。

検査コード	NS11J
標準価格（税抜）	48,000円
所要日数	20営業日
提出検体	ハチミツ100g以上もしくはご相談

詳細

測定法	次世代シーケンサーによる植物メタバーコーディング解析法
検出対象	植物核rRNA遺伝子ITS2領域

ハチミツ蜜源検査とは

ハチミツは蜜蜂が様々な花から蜜を集めて作る天然甘味料で、その製造過程で花粉が混入しています。一般的なハチミツには1グラムあたり数千から数万個の花粉粒子が含まれており、これらを解析することで蜜源植物を特定することができます。

従来のハチミツ蜜源検査では、光学顕微鏡を用いた花粉の形態学的同定が主流でした。この手法は迅速性と簡易性を利点としますが、一方で花粉の識別には専門的な知識と経験が必要であること、また近縁種の区別が困難であることなど、詳細な解析には限界がありました。

近年開発されたDNA分析技術「メタバーコーディング解析」による蜜源検査では、花粉DNAの「バーコード領域」と呼ばれる遺伝子を解析します。これによって、（商品バーコードを読み取るように）蜜源植物を特定し、また存在比を定量することが可能になります。

この検査により、特に単花蜜として販売されているアカシアやレンゲなどのハチミツにおいて、詳細な蜜源組成を客観的に評価することが可能です。また、希少な蜜源植物を含むプレミアムハチミツの付加価値証明や、輸入ハチミツの原産地検証にも活用されています。

さらに、蜜源検査は環境モニタリング手法としても注目されています。ハチミツに含まれる花粉組成を解析することで、養蜂地域の植生変化や生物多様性の状況を把握できるため、生態系保全の指標として活路が模索されています。

項目	光学顕微鏡による形態学的同定	メタバーコーディング解析
検査原理	花粉の形態（形、大きさ、模様）を観察	DNA配列情報による植物種同定
検出精度	科・属レベル	種レベルが主
定量法	花粉粒子数の直接カウント	DNAリード数に基づく相対的な比率評価
長所	長い歴史で確立された手法 迅速な検査 比較的安価な設備投資	種レベル中心の高精度な同定 データに基づき客観的な評価 微量の花粉（0.1%未満）まで検出可能
短所	形態が似た花粉は識別困難 精度が鑑定者の経験に依存	分析／データ解析に専門知識が必要 間接的な測定原理によるバイアスの存在

弊社のハチミツ蜜源検査について

弊社では、「メタバーコーディング解析」によるハチミツ蜜源検査を提供しております。

サービスの特徴

• DNA抽出からデータ解析までワンストップ対応
• すべてのバイオインフォマティクス解析を弊社内で実施しているため、ご要望に応じた追加解析や詳細な結果解釈にも柔軟に対応
• 毎サンプル3万～5万個のDNAデータ取得による詳細な蜜源解析
  • メタバーコーディング解析の業界標準「Illumina社製 次世代シーケンサー」使用
• 分類学的解像度に優れたバーコード領域「ITS2」採用による高精度な同定

報告例

下記より、国内のハチミツ（百花蜜）を用いたデモデータをダウンロードしていただけます。

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検査の流れ

ご依頼にあたっては、ご依頼の流れに従い、検体と検査依頼書を当社までお送りください。お預かりした検体は、以下の手順で分析いたします。

検査の限界、注意事項

• DNA分析による花粉比率の定量は、実際の花粉粒子の比率と必ずしも正確に一致しません。
• ハチミツの加工・保管状況によっては、花粉中のDNAが劣化し、十分なデータ量を読み取れない場合がございます。できるだけ新鮮なハチミツをご用意ください。

『その他の検査』カテゴリーについて

当社では、お客様の多様なご要望にお応えするため、従来の検査項目に当てはまらない特殊なDNA分析サービスも提供しております。

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