ウシ(牛肉)雌雄判別検査
Bovine ( beef ) Sex Identification Inspection

基本情報
牛肉のDNAを分析し、雄性染色体Yの有無を識別することで、検体のオス・メスを判定します。
検査コード | NS06J |
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標準価格(税抜) | 30,000円 |
所要日数 | お問い合わせ |
提出検体 | 精肉100g以上もしくはご相談 |
詳細
試験法 | 『C. G. Lucas et al., Transgenic research, 2020』準拠 |
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測定法 | 標的特異的PCRならびに電気泳動法 |
検出対象 | 性染色体に特異的な多型を示す遺伝子領域(DDX3X/Y) |
牛肉の雌雄について
牛肉では、オスとメスの肉質の違いが食味や市場価値に影響を与えることが知られています。そのため雌雄に関する情報は、消費者の購買選択のために提供されることがあるほか、仕入れや流通時の真正性の担保に活用されます。
当社のウシ(牛肉)雌雄判別検査について
ウシやブタなどの哺乳類では、X染色体をホモで持つ「XX型」がメス、Y染色体をヘテロで持つ「XY型」がオスになります。そのため、任意の手段でY染色体の有無を確認することにより、検体の性別を調べることができます。
当社の「ウシ(牛肉)雌雄判別検査」では、このY染色体を検出するため、DEAD-boxヘリカーゼ遺伝子(DDX3)を標的にしています。DDX3はX・Y双方の染色体上に存在しますが、両者を比較すると、Y染色体のDDX3はより長いDNA鎖長(ウシでは+47塩基)であることが知られています。したがってオスのDDX3をPCR-電気泳動法で解析すると、長さが異なる2本のDNAバンドが観測されるため、メスの場合と明瞭に区別することが可能です。

本検査は以下の手順で進行します。
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- 1検体の前処理
- 安定した解析結果を得るため、検体を細かく破砕し、均一な状態に調製します。
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- 2DNAの抽出
- 検体の種類や状態に応じた最適な抽出法を選択し、高純度のDNAを抽出します。
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- 3PCR増幅
- 微量のDNAからでも高感度な検出を可能にするため、解析対象となる遺伝子領域を数百万倍に増幅します。
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- 4ゲル電気泳動解析
- 特殊な染色法で可視化したDNA断片を、大きさ(分子量)ごとに分離し、その電気泳動パターンを観測します。
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- 5データ解析と判定
- 得られた複数の測定データを精査した上、判定基準に従って遺伝子型を決定し、総合的な判定を行います。
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- 6ご報告
- 解析結果の詳細を検査報告書にまとめ、また必要に応じて専門的見解とあわせ、ご依頼者様にご報告いたします。
※ フリーマーチンや染色体転座などにより、外見の性別と検査結果が一致しない場合が低確率であります。
『その他の検査』カテゴリーについて
当社では、お客様の多様なご要望にお応えするため、従来の検査項目に当てはまらない特殊なDNA分析サービスも提供しております。
『その他の検査』をご利用の場合は、以下のページもご確認ください。