
遺伝子組換え食品検査
概要
近年、様々な遺伝子組換え作物(GMO)の開発・普及が進んでいます。
そのため弊社では、国内で広く使われている公定法・通知法はもちろん、最大306品種に対応する標準法まで、幅広いGMO検査サービスを提供しています。すべての検査は自社のラボで実施しており、厳格な検査手順に従って品質と信頼性を確保しています。
どの検査方法を選ぶか迷われた際は、ページ下部の「検査の選び方」をご覧いただくか、お問い合わせページからご相談ください。
リストにない品種や特別な検査内容につきましても、可能な限り対応いたします。お気軽にお問い合わせください。
目次
検査ラインナップ
大豆
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
ダイズGMO検査(公定法, 定性検査) | 3品種 | ― | 36,000円 | 3日 | GK08A |
ダイズGMO検査(公定法, 定量検査) | 3品種 | ― | 40,000円 | 3日 | GK06A |
ダイズGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 19品種 | 16品種 | 70,000円 | 3日 | GH15C |
ダイズGMO検査②(標準法, 定性スクリーニング) | 11品種 | 15品種 | 30,000円 | 3日 | GH16C |
とうもろこし
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
トウモロコシGMO検査(公定法, 定性検査) | 13品種 | ― | 36,000円 | 3日 | GK09A |
トウモロコシGMO検査(公定法, 定量検査) | 13品種 | ― | 98,000円 | 9日 | GK07A |
トウモロコシGMO検査(通知法, Bt10・CBH351・DAS59132系統) | ― | 3品種 | 32,000円 | 3日 | GT12B |
トウモロコシGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 34品種 | 40品種 | 95,000円 | 3日 | GH17C |
トウモロコシGMO検査②(標準法, 定性スクリーニング) | 27品種 | 27品種 | 30,000円 | 3日 | GH18C |
ばれいしょ
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
ジャガイモGMO検査(通知法, F10・J3・Y9・X17系統) | ― | 4品種 | 36,000円 | 3日 | GT10B |
ジャガイモGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 10品種 | 28品種 | 65,000円 | 3日 | GH11C |
ジャガイモGMO検査②(標準法, 定性スクリーニング) | 7品種 | 19品種 | 30,000円 | 3日 | GH12C |
なたね
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
セイヨウアブラナGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 13品種 | 11品種 | 60,000円 | 3日 | GH13C |
セイヨウアブラナGMO検査②(標準法, 定性スクリーニング) | 8品種 | 6品種 | 30,000円 | 3日 | GH14C |
アブラナGMO検査(通知法, RT73 B. rapa系統) | ― | 2品種 | 82,000円 | 9日 | GT08B |
アブラナGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 4品種 | 25,000円 | 3日 | GH03C |
綿実
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
ワタGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 18品種 | 16品種 | 65,000円 | 3日 | GH04C |
ワタGMO検査②(標準法, 定性スクリーニング) | 12品種 | 13品種 | 30,000円 | 3日 | GH05C |
アルファルファ
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
アルファルファGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 3品種 | ― | 30,000円 | 3日 | GH07C |
てん菜
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
テンサイGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 3品種 | 3品種 | 35,000円 | 3日 | GH21C |
パパイヤ
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
パパイヤGMO検査(公定法, 55-1系統) | 1品種 | ― | 36,000円 | 3日 | GK05A |
パパイヤGMO検査(通知法, PRSV-YK・PRSV-SC・PRSV-HN系統) | ― | 3品種 | 36,000円 | 3日 | GT09B |
パパイヤGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 1品種 | 5品種 | 25,000円 | 3日 | GH20C |
からしな
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
カラシナGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 1品種 | 2品種 | 30,000円 | 3日 | GH29C |
その他
検査名 | 安全性審査済 | 安全性未審査 | 標準価格(税抜) | 所要日数(営業日) | 検査コード |
---|---|---|---|---|---|
農畜水産物306品種GMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 102品種 | 204品種 | 420,000円 | 3日 | GH02C |
農作物228品種GMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | 67品種 | 161品種 | 180,000円 | 3日 | GH42C |
アマGMO検査(通知法, FP967系統) | ― | 1品種 | 28,000円 | 3日 | GT01B |
インゲンマメGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 2品種 | 25,000円 | 3日 | GH23C |
オオムギGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH24C |
オクラGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH28C |
カリフラワーGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH36C |
キャッサバGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH30C |
クリGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH27C |
コムギGMO検査(通知法, MON71100–71800系統) | ― | 4品種 | 36,000円 | 3日 | GT02B |
コムギGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 7品種 | 30,000円 | 3日 | GH10C |
コメGMO検査(通知法, 63Bt・NNBt・CpTI構築物) | ― | 3品種 | 32,000円 | 3日 | GT03B |
コメGMO検査(通知法, LL601系統) | ― | 1品種 | 28,000円 | 3日 | GT04B |
コメGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 23品種 | 55,000円 | 3日 | GH08C |
サケGMO検査(通知法, AquAdvantage系統) | ― | 1品種 | 28,000円 | 3日 | GT11B |
ササゲGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 2品種 | 25,000円 | 3日 | GH31C |
サトウキビGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 7品種 | 30,000円 | 3日 | GH32C |
スモモGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH33C |
ズッキーニGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 2品種 | 25,000円 | 3日 | GH26C |
チコリーGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 3品種 | 25,000円 | 3日 | GH34C |
トマトGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 12品種 | 30,000円 | 3日 | GH19C |
ナスGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH25C |
バナナGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH35C |
ブタGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH40C |
メロンGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 2品種 | 25,000円 | 3日 | GH37C |
ヤギGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 1品種 | 25,000円 | 3日 | GH41C |
リンゴGMO検査(標準法, 定性スクリーニング) | ― | 4品種 | 25,000円 | 3日 | GH38C |
検査の選び方
義務表示
安全性審査済みの遺伝子組換え農産物9種(大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ、からしな)と、これらを原材料とする33種類の加工食品について、「遺伝子組換え」等の表示が義務付けられています。
Tip
義務表示の確認検査には、公定法をご利用ください。
対象農産物 | 加工食品 |
---|---|
大豆 | 1 豆腐・油揚げ類 2 凍り豆腐、おから及びゆば 3 納豆 4 豆乳類 5 みそ 6 大豆煮豆 7 大豆缶詰及び大豆瓶詰 8 きなこ 9 大豆いり豆 10 1から9までに掲げるものを主な原材料とするもの 11 調理用の大豆を主な原材料とするもの 12 大豆粉を主な原材料とするもの 13 大豆たんぱくを主な原材料とするもの 14 枝豆を主な原材料とするもの 15 大豆もやしを主な原材料とするもの |
とうもろこし | 1 コーンスナック菓子 2 コーンスターチ 3 ポップコーン 4 冷凍とうもろこし 5 とうもろこし缶詰及びとうもろこし瓶詰 6 コーンフラワーを主な原材料とするもの 7 コーングリッツを主な原材料とするもの(コーンフレークを除く。) 8 調理用のとうもろこしを主な原材料とするもの 9 1から5までに掲げるものを主な原材料とするもの |
ばれいしょ | 1 ポテトスナック菓子 2 乾燥ばれいしょ 3 冷凍ばれいしょ 4 ばれいしょでん粉 5 調理用のばれいしょを主な原材料とするもの 6 1から4までに掲げるものを主な原材料とするもの |
なたね | |
綿実 | |
アルファルファ | アルファルファを主な原材料とするもの |
てん菜 | 調理用のてん菜を主な原材料とするもの |
パパイヤ | パパイヤを主な原材料とするもの |
からしな |
任意表示
GMOを使用していない場合、または検出が不可能とされているものについては、遺伝子組換えに関する表示義務はありません。ただし、適切に分別生産流通管理(IPハンドリング、以下”分別”)が行われている場合は、その旨を表示することができます。
なお、2023年4月の制度変更により、「遺伝子組換えでない」と表示するには、従来以上に厳格な管理と証明が必要となりました。このGMO任意表示制度の改正内容を、以下の表にまとめています。
Tip
「遺伝子組換えでない」表示への適合には、公定法検査をご利用ください。
区分 | 内容 | 2023年3月まで | 2023年4月から |
---|---|---|---|
義務表示 | GMOを使用している | 大豆(遺伝子組換え) | |
GMOと分別していない | 大豆(遺伝子組換え不分別) | ||
任意表示 | 分別しているが、5%以下の混入可能性あり | 大豆(遺伝子組換えでない) | 大豆(分別生産流通管理済み) |
分別している、かつ混入がないことを確認 | 大豆(遺伝子組換えでない) |
安全性審査について
安全性審査を受けていないGMO品種の流通、もしくはこれを原材料に用いた食品の製造・輸入・販売は、食品衛生法により禁止されています。
そのため審査済みのGMO品種だけでなく、未審査の品種についても定期的な検査を行い、混入を防止していくことが重要です。
Tip
安全性未審査のGMO品種は、通知法・標準法によって検出が可能です。
安全性審査を通過しているGMO品種は、以下のリンクからご確認いただけます。
- 厚生労働省のWEBサイト(外部リンクが開きます)
比較項目 | 安全性審査済み | 安全性未審査 |
---|---|---|
概要 | 食品衛生法に基づき厚生労働省が安全性を確認済み | 承認未取得または申請中 |
流通・販売 | 適切な表示を前提に可能 | 禁止(食品衛生法違反) |
代表例 | MON810 トウモロコシ、ラウンドアップレディ大豆、グリホサート耐性ナタネなど | StarLink コーン(2001年検出)、未承認パパイヤの違反事例など |
定性検査と定量検査
定性検査では、試料にGMOが含まれるかどうかを判定します。混入率はわかりませんが、通常は迅速かつ低コストであるため、定期的なスクリーニング検査に適します。
定量検査では、試料に含まれるGMOの具体的な混入率(%)を求めます。意図せざる混入が5%を超えていないかの判定、また継時的な品質管理指標としてお使いいただけます。
項目 | 定性検査 | 定量検査 |
---|---|---|
判定内容 | GMOが含まれるかどうかを判定 | GMOの具体的な混入率(%)を測定 |
混入率の測定 | 測定不可 | 測定可能 |
特徴 | 迅速かつ低コスト | 精密な数値測定が可能 |
用途 | 定期的なスクリーニング検査 | ・混入が5%以内かの判定 ・継時的な品質管理指標 |
スクリーニング検査と特異的検査
スクリーニング検査では、複数のGMO品種に共通のDNA配列(CaMV 35SプロモーターやNOSターミネーターなど)をターゲットにすることで、広範囲のGMOを効率的に調べます。原材料や製品がGMOフリーかどうかを確認したい場合や、GMO混入の可能性があるかどうかの一次判定に適しています。
特異的検査では、特定のGMO品種のみに存在するDNA配列をターゲットにします。これにより、スクリーニング検査で陽性となった場合のGMO品種の絞り込みや、未承認GMO品種の混入検出などに用いられます。
項目 | スクリーニング検査 | 特異的検査 |
---|---|---|
検出対象 | 多くのGMOに共通する配列 | 特定のGMO品種に固有の配列 |
特徴 | 一度に多くのGMOを検出 | 品種ごとに検出 |
用途 | 一次判定、GMOフリー確認 | 品種特定、規制対応、リスク管理 |
例 | CaMV 35Sプロモーター、NOSターミネーター | ラウンドアップレディ大豆、StarLink コーン |
検査手法の違い(公定法・通知法・標準法)
弊社のGMO検査サービスは、国内で広く使われている公定法・通知法、および最大306品種に対応する標準法を提供しています。
いずれの手法もDNA分析技術に基づいている点は共通していますが、制定元や利用目的に違いがあります。
原則として、食品表示と直接的に関わる検査には公定法を、そうでない確認検査には標準法をご利用ください。
手法 | 制定元 | 対応品種 | 主な用途 |
---|---|---|---|
公定法 | 消費者庁通知の検査法(消食表第389号 令和3年9月) | 安全性審査済みのGMO品種(最大17品種) | ・食品表示基準への適合・輸入時検査・証拠能力が求められる場合(裁判資料、行政モニタリング) |
通知法 | 厚労省通知の検査法(生食発0813第1号 令和元年8月) | 安全性未審査のGMO品種(最大23品種) | ・安全性未審査の品種の特異的検査・行政モニタリング |
標準法 | 国際的に標準化されている、またはそれに準じる手法(ISO 21570:2005など) | 広範なGMO品種(最大306品種) | ・日常的な確認検査・多項目スクリーニング検査・公定法/通知法で検知不能な品種への対応・検査目的に応じた柔軟な設計/運用 |
検査の流れ
ご依頼にあたっては、ご依頼の流れに従い、検体と検査依頼書を当社までお送りください。お預かりした検体は、以下の手順で分析いたします。
-
- 1検体の前処理
- 検体を細かく破砕し、DNAを抽出するための均一なサンプルを作製します。
-
- 2DNAの抽出
- 検体ごとに最適な手法でDNA抽出し、高純度のDNAを得ます。
-
- 3分析機器による測定
- 抽出したDNAの中から、目的の遺伝子組換え関連因子の有無を高感度に検出します。測定にはリアルタイムPCR法もしくはPCR-電気泳動法を使用します。
-
- 4データ解析
- リアルタイムPCRで得られた蛍光データ、もしくはゲル撮影データを解析し、標的DNAの有無やその量を評価します。
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- 5ご報告
- 解析結果は精査の上、報告書としてまとめ、ご依頼者様にご提出いたします。
パンフレット
よくあるご質問
遺伝子組換え食品検査はどのような検体に対応していますか?
DNAが残存している検体であれば、ほとんどの食品原料および加工食品に対応可能です。一方、極度の加熱や腐敗、化学的処理が施された検体では、検査の実施は可能であるものの、良好な結果が得られない可能性が高くなります。
遺伝子組換え食品検査の料金に検体の種類や量は影響しますか?
基本的には影響しません。ただし、特殊な分析や追加サービスを希望される場合は、別途見積もりをご提示する場合があります。
特定の遺伝子組換え品種のみを検出できますか?
多くの遺伝子組換え品種に対して、個別検出が可能です。ご希望の遺伝子組換え品種についてお問い合わせいただければ、具体的な検出可否をご案内いたします。